内観療法とは、吉本伊信が開発した自己探求方法です。内観者(内観を受ける人)は自分の内面と静かに向き合い、過去から現在までに特に深く関わった人間関係の中で自分がどのようなあり方をしたのかを調べます。自己探求を深めることで、これまでどれだけ愛されて育てられたのかに気づき、迷惑をかけてきたことを心の底から反省します。内観者はこうした体験を通じて、対人関係や物事に対する考え方が自然に変化していきます。
調べる内容は①してもらったこと②して返したこと③迷惑かけたことの3つです。この3点を年齢順に想い出していきます。内観療法は指導者と内観者の2名のみで実施され、通常は日常生活からかけ離れた静かな場所で7日間の泊まり込みで実施します。これを集中内観といい通常は、静かな部屋の屏風で囲まれた狭い空間の中で朝の5時~夜の9時まで約16時間を内観に費やします。内観中はトイレや入浴以外は屏風の中から出ることは禁止されており、食事も内観をしながら屏風の中でとります。
読書、パソコン、携帯電話をすることは禁止されており、その期間は内観だけに集中します。通常1~2時間ごとに訪れるカウンセラーに対して、思い出した事柄を伝え、次の内観のテーマが与えられます。
【内観のテーマの例】
1日目:母について
05:00~07:00:幼稚園まで
07:00~09:00:小学校時代
09:00~11:00:中学校時代
11:00~13:00:高校時代
13:00~15:00:大学時代
15:00~17:00:20代
17:00~19:00:30代
19:00~21:00:40代
2日目:父について
05:00~07:00:小学校まで
07:00~09:00:中学校時代
09:00~11:00:高校時代
11:00~13:00:大学時代
13:00~15:00:養育費の算出
15:00~17:00:20代
17:00~19:00:30代
19:00~21:00:40代
3日目以降は進捗状況や内観者の悩みに応じてテーマが与えられます。
内観療法は刑務所や少年院の矯正教育の一環として用いられることや、精神科の病院で実施されていることもあります。また、企業における新人教育の一環として取り入れられることも多いようです。実際に、その適用範囲は広く年齢は中学生から高齢者まで。心理的なトラブルがある人に対して実施することも多いですが、心身の健康な人が自己啓発を目的に内観を訪れることもあります。
具体的には、うつ病を患っている人、引きこもりとなっている人、人間関係に悩んでいる人、そうした人々を家族にもつ人、自己啓発に利用したい人、様々な人が内観療法を用いて問題を解決することが可能です。しかし、7日間をかけて行なう集中内観は、一度始めると基本的には途中でやめることはできません。問題に向き合う心構えと、最後までやり遂げる強い意思が必要であり、精神的な強さが要求されます。逆に言えば、これらを持たない人は内観を行なっても大きな効果は期待できないと言えます。
それから、もう一つ。
集中内観では、毎日就寝前の時間に以下の詩の朗読が部屋に流れます。内観法を確立された吉本伊信の義母、森川りうさんが残された「みちのうた」です。一日自分の心と向き合った後に聞くこの「みちのうた」は本当に心を揺さぶられます。この詩を聞いて何かしらを心に感じる方はさらに内観に向いているといって良いかもしれません。
集中内観は通常、山奥にある研修所まで出向き、7泊8日程度をかけて行ないます。費用も高額で6万円程度から7万円程度(宿泊費や食事代込み)かかることが多いようです。非常に過酷な体験ですが、その分やり遂げることができれば『カタルシス効果※』、『深い気づき』、『人への感謝』、『生まれ変わったような感覚』を得ることも多いと言われています。
※カタルシス効果:対処困難な衝動・欲求・感情、あるいはその葛藤などを、言語的または非言語的に表現することを通じて意識化、発散することで、症状や問題行動が消失する現象。
しかし、7泊の間ずっと自分と向き合い続けるのは本当に過酷です。強靱な精神力が必要です。実は私自身も集中内観の体験者なのですが、その過酷さに耐えきれなくなる瞬間を実際に経験しており、3日目の中盤、指導者に対して内観を一度中断したいと申し出ました。(そのときは、指導者の冷静なアドバイスのおかげで、最後までなんとかやり遂げることができました。)
たしかに、7泊8日の内観で得たものは大きいです。自分の人生を大きく変えてくれました。一方で、世間を見回した場合、今ある生活を離れ8日間も高額の費用をかけて出かけていける人はなかなかいません。悩み苦しむ中で内観という存在に気がついたとしても実際に集中内観を体験できる人は少ないのが実情だと思います。
悩み苦しむ人にとって多くの気づきを得ることができる内観を、身体的・金銭的な負担の少ない方法で、より多くの人に体験してもらえうことはできないか。日々の暮らしに追われる人々に内観を体験してもらうことはできないか。そうして考えたのが、ご自宅から内観を体験していただけるオンライン内観です。
もちろん、長い期間をかけてじっくりと集中内観を行うことが一番効果が高いと思います。しかし、一日や二日であっても、しっかりと自分の心と向き合ってまじめに内観を行えば効果は十分に現れます。
オンライン内観は以下のような手順で実施されます。
ご自宅と当カウンセリングルームをオンライン(Skype、Zoom)接続して行ないます。内観体験は集中できる環境に籠もって行うことが最低限の条件です。ヒアリング時に内観者が集中して行えていることを確認するため、あらかじめ内観者が定めた場所から離れていないことを定期的に、こちらからオンラインでの目視確認を行ないます。また、各内観パート①~④のそれぞれ最後に内観者が思い出したことをカウンセラーに伝えるための面談を3分~5分程度行ないます。その際カウンセラーは内観者が思い出した事柄について、質問をしたり、問いただすことはいたしません。ただ、内観者が思い出したことについてうなずき、共感するだけで余計な口出しはいたしません。
【当日のスケジュール】
1.08:30~09:00:導入面談(注意事項の説明と内観者の状況確認)
2.09:00~11:00:内観①
3.11:00~13:00:内観②
4.13:00~15:00:内観③
5.15:00~17:00:内観④
6.17:00~17:30:終了面談(内観の感想や継続希望の確認など)
※各内観のテーマは状況に応じて当日に決定します。
【料金】
6,600円(税込)
【料金に含まれるもの】
1.内観療法の説明を行ない、お悩みの状況をお伺いして各内観のテーマを決定します。
2.各内観の終了10分前にこちらから声をかけ、調べたことをお話していただきます。
3.内観に集中していることを確認するために、ランダムにこちらより目視確認を行ないます。
4.内観者が内観に集中できるよう、協力していただくご家族に向けた説明書を提供します。(内観の概要説明と効果について、また、静かな環境を作っていただける協力要請など)
【オプションサービス】
1.テキスト記録(+550円)
各内観終了時のヒアリングの内容を記録し内観、終了時に文字データとしてお渡しします。内観を終了した後もいつでも、当日考えたことの振り返りをしていただくことが可能です。
2.内観枠の追加(1枠あたり+1,100円)
集中内観の1日のスケジュールにより近づけたい方は、ご希望に応じて、『5:00~7:00』『7:00~9:00』『17:00~19:00』『19:00~21:00』の枠を追加いただくことで、より深い内観を行なっていただくことが可能です。
3.内観の日数追加(1日あたり+5,500円)
オンライン内観を1度終了していただいた方は、ご希望に応じて、1日単位で内観を延長していただくことが可能です。7日間連続で行なえば集中内観に近い体験をしていただくことができます。また、内観は連続した期間に行なっていただくことが理想ですが、ご都合に応じて連続しない日程でも追加を承ります。
【注意事項】
1.お手洗いはご自由にいっていただけます。
2.お食事は事前に用意していただきお食事中も内観をおこなってください。
3.内観者の意思で内観を終了する場合、お支払いただいた料金の払い戻しには応じられませんので、ご了承ください。
4.内観に集中していない、決められた場所から離れることが多い、などが複数回確認された場合にはこちらから内観の終了をご提案することがあります。その場合であってもお支払いただいた料金の払い戻しには応じられませんので、ご了承ください。
5.他のカウンセリングルームや医療機関をご利用中の方は内観を行なうことの事前許可をもらってください。
6.内観の効果は個人差があります。効果を保証するサービスではございませんのあらかじめご承知ください。
7.中学生未満の方は内観にはご参加いただけません。
よくある質問はこちらをご覧ください。
お問い合わせやお申込みは以下のページよりお願いいたします。
料金は前払い制になっております。
ご予約の確認が取れましたら内観実施日3日前までに下記銀行までお振込み下さい。
ご入金の確認が取れない場合は予約キャンセルとさせていただきます。
なお、前日までのキャンセル・変更は無料です。体調が優れない場合には遠慮無くご連絡ください。
【お振込み先】
銀行 ゆうちょ銀行
支店 〇九八支店(支店番号 098)
口座番号 普通 1327890
名義 カ)スマイルファクトリー